どうも!就活塾「内定ラボ」の岡島です!

就活に不安を感じる学生がとる行動で多いのが「とりあえず資格でも取っておこうかな」というもの。資格があることで、ほかの学生と差別化ができるのではないかと考えて勉強に打ち込む人がいます。

知識を増やすために、自分を磨くために勉強をすることは大いに歓迎ですが、就活のために資格取得を考えているのであれば、少し考え方を改めて方がいいでしょう。

今回は、就活を進めていくにあたって有利になりえる資格とはどんなものか、また就職活動ではあまり役に立たない資格とは何なのか、採用担当者目線で、具体的に説明していきます。

就活で本当に“有利になる”と言える資格は、ほんの一握り

有利になるというのが、そもそも定義が曖昧ですのでここでは「内定をもらうのに直結するほど評価される資格」を有利な資格として定義して話を進めていきますね。

採用担当者は様々な学生を日々面接しています。そこで資格を見て「この資格を持っているのであれば是非採用したい!」と思わせるレベルの資格は、はっきり言ってしまえば、超難関の国家資格くらいです。

具体的に言えば、司法試験、公認会計士等のレベル感です。これらの難関試験をクリアしたという実績だけで、評価はグッと上がります。当然と言えば当然ですが、それほどに資格で面接官から評価をされるというのは難しいことだということを覚えておいてください。

プラスの印象を与えることができる資格レベルについて

内定に直結する資格というのはごく一部というお話しをしました。もちろん超難関資格は「プロフェッショナル」なライセンスですから、わざわざ司法試験に合格したのに、民間企業への就職を希望するということはレア中のレアと言えます。

ですから、実際問題としては「資格が内定に直結する」というものはほとんど皆無だということを忘れないようにしてください。資格取得に100時間も200時間も費やすのであれば、就職活動に直結する活動(筆記対策やES対策など)に時間を割いた方が、それこそ効率的となります。

内定に直結はしないにしろ、プラスの印象を持ってもらえる可能性のある資格はいくつか存在ます。一覧で上げてみると以下のような資格ですね。

・ 簿記(2級では難しい、1級であればプラス)

・ TOEIC(プラス評価と言い切れるのは800点以上)

・ 英語以外の語学習得(ビジネス会話レベル)

・ 留学経験(1カ月程度の短期留学は除く)

・ 起業経験(資格とは言えませんが、プラス評価につながります)

このあたりのレベル感です。これら4つはどの企業でもどの業界でも一定の評価をしてもらえる可能性が高い資格群となります。数字に強いところをアピールできる簿記、グローバルに対応できる印象を与えられるTOEIC+留学経験および第二外国語、積極性を評価してもらえる起業経験、このあたりがプラスになるところです。

そう考えると、就活のためだけに直前になって資格を取るという選択は、あまり賢いとは言えません。就活準備としては資格取得以外に、以下のようなことをやっておいた方が断然いいでしょう。

“参考”
就活塾が教える!就活本番までに必ずやるべき7つの具体策

企業の業務内容に直結した、資格取得は評価されるのか

金融業界であればファイナンシャル・プランナーであったり、不動産業界であれば宅建だったり、介護業界であればホームヘルパーだったり…業界特有の特化系資格というのがあります。

この特化系資格を取得する学生もまた多いですね。

有利になるかならないかでいえば、「有利にはならない」、あったほうがいいかどうかで言えば「あったほうがいい」くらいの感覚で、採用担当者は考えているケースが多いようです。何故かと言えば理由は単純明快です。

あなたが参加している“新卒採用”の枠組みの中に、業界経験のあるなしはそもそも大きな判断基準に入っていないからです。ここは大切なところなので、覚えておくようにしてください。

もしも企業が本当に「資格取得者」が欲しいと思っているのであれば、資格を持っていて実務経験のある転職希望者を対象に採用活動をすると思いませんか。あなたが立ち向かうべき新卒採用には、実務経験はほとんど求められません。求められていないことに時間をかけて勉強するくらいなら…私は時間をもっと有効に使うべきだと思います。

ですから、業界特有の資格に関してのほとんどは「入社後に資格取得のバックアップ制度」が用意されているはずです。金融業界に内定したらFP取ればいいんです。不動産業界に従事することになってはじめて宅建でいいわけです。

もちろん自分が興味があって勉強するのは大いに素晴らしいことですが、就活対策としてはあまりに非効率と言わざるをえません。

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特化系資格を取得したことで就活で苦労した学生の話

ある法学部の学生がいました。勉強熱心だった彼は大学三年の時に「行政書士」の資格を取得します。

合格率5%以下の難しい資格ですから当然就活で評価してもらえると思い、就活が始まると大手企業を中心に100社以上の会社を回りました。

ですが、いいところまで選考に残るのですが内定を獲得することができません。それは選考が進むと必ず聞かれてしまう質問があったからです。それは…

「行政書士の資格持ってるんだ…じゃ近々独立するんだね」何処に行っても同じようなことを言われて苦労したとその学生は言っていました。

つまり専門性が高いがゆえに、資格取得の評価よりも、その資格を活かして将来のことを考えているのではないかと、逆に面接官に疑わせてしまう結果になってしまったのです。

結果的にその学生は若くして独立して成功されているわけですが、就職活動での悔しさは今でも忘れないと言っていました。評価されると思ったものが逆に足を引っ張る形になることもあるというわけです。

“参考”
就活で聞かれる「あなたの将来の夢は何か」の質問攻略

では何故、就活生の多くが資格取得しなければと考えてしまうのか

ここまでブログを読んでくれたあなたは、面接担当者が実務系資格のありなしにさほどこだわっていない理由が理解できたと思います。新卒採用には、実務経験は求められていないというお話しでしたね。

ですが不思議ですよね。何故あんなにも就活生がこぞって資格取得に走ってしまうのでしょうか。「とりあえず秘書検定」「時間もあるからパソコン検定でも受けてみるか」…何故そうなってしまうのでしょうか。

それは、資格取得をサポートする企業の「広告展開」のうまさに秘密があります。就活生が何気なく生活している中で、パソコンのバナー広告、テレビCMなどのあらゆるメディアを通して、「資格をとれば、有利になる」というイメージの刷り込みがされているからなのです。

もちろん資格取得をして不利になることはありませんから過剰広告でも何でもありません。ですが「有利になる」の度合いがどれだけかは、情報の受け手側である就活生も考えなければなりません。

プラス1点でも、10点でも、50点でも得点アップという事実

100点満点のテストがあったとしましょう。

そして得点をあげるために必死になって勉強するとします。「得点をあげる」というのは実は非常に簡単です。1点でもあがればそれは「得点をあげる」ということになるからです。

就活の資格取得もこのテストの話とニュアンスは全く同じです。超難関系資格を除けば、就活においての資格取得は「プラス1点」にはなるかもしれません。

ですが、資格取得に充てる時間を筆記・ES・面接などの対策に時間をかければ「プラス10点、20点」もしくはそれ以上に価値のあるものに出来る可能性が高いというわけです。

「資格を取得すれば就活では有利」の度合いは極めて「プラス1点」に近しいものです。

10点も20点もあげられることに、時間を使っていくことをお勧めしたいと思います!もちろん資格取得自体が役に立たないというわけではありませんからね!学ぶことは価値のあることです。ですが就活対策としての資格取得はやはりおススメはできません。

効率のいいものに時間を配分する…成功する就活の大原則です。であれば、ESや面接、グループディスカッションなど選考に直結する対策に力を入れていってほしいと思います。

“参考”
通過するエントリーシートの文章構成は…実は決まっている

“参考”
面接対策を効率的に進めるために、やっておくべき5つのこと

“参考”
就活における効果的なGD対策、5つのポイント

まとめ

・ 内定に直結する資格は、超難関資格以外はないと思うこと

・ プラス評価になりえる資格も、短期間では取得できないレベルであること

・ 面接官が新卒としてのあなたに期待するのは、資格や実務経験ではない

・ 業務特化系資格も、時にネガティブな印象を持たれることもある

・ プラス1点より10点、20点獲得することを意識すること

「就活でアピールすることがないから、資格を取ろう」というのが一番危険な考え方です。資格を取ることがアピールになりづらい以上、資格以外の自分のアピールポイントを探すことに意識を向けるようにしてください!