どうも!就活塾「内定ラボ」の岡島です!

就活で企業研究をしていく中で、給与も企業選びの軸になる方も多いのではないでしょうか。

募集要項をよく見てみると「基本給」と「初任給」という2つの項目を目にすることが多いと思います。実は「若者雇用促進法」というのが平成27年から導入されて、募集要項には基本給を記載しなければならないことになりました。

給与や年収に関わる知識を正しく身に付けておくことは極めて重要です。初任給が低くても年収が跳ね上がる企業もあれば、年収が高くても実際には「稼いでいる実感が持ちづらい」企業もあります。

基本給や初任給といった給与に関わる正しい知識を頭に入れ、正しい基準を持って判断できるようになっていってほしいと思います。

初任給が高い企業…ベスト3

給料たくさんほしい!と思っている就活生の皆さんも多いでしょう。ですが実際にいろいろな企業の求人票をみると、初任給ってほとんど同じですよね…。

2016年の大卒の初任給の平均は203,400円です(厚生労働省データより)。恐らく皆さんが志望している会社の初任給もこのくらいの金額ではないでしょうか。

その一方で…新卒の初任給が50万円なんていう企業もあるのです。会社四季報に載っている企業の上位3社を実際に見てみましょう。

1位 日本商業開発 50万円

2位 GCA 37.5万円

3位 グリーンランドリゾート 34万円

例えば、1位の日本商業開発は年収にするとボーナスを除いても600万円になります。日本商業開発は2015年から新卒採用を開始し2名~3名の新卒を採用しています。倍率を考えると超難関です。

月収50万円…。もしかしたらあなたの父親よりも給料が良いということもあるかもしれませんね。なかにはこんなにたくさん給料をもらえる会社もありますが、平均は203,400円であることは忘れずに…。

まず給与面で正しく理解しなければならないこと

「なるほどなるほど…世の中にはそんな高い初任給がもらえる会社があるのか…私には無縁だ」と思った人もいるかもしれませんが、ここからが重要です。

あなたは初任給と基本給の違いを理解していますか?

わかりやすく言うと、「初任給=基本給+各種手当」です。つまり初任給には手当が含まれています。手当でよくあるのが、残業手当、住宅手当、資格手当、営業手当などです。

住宅手当は一人暮らしの人に家賃の一部を補助として支給されたり、資格手当は会社が指定した資格を取得している人に支給されたりと福利厚生的な手当といえるでしょう。

手当の中で特に注意してほしいのが残業手当です。会社によっては固定残業代やみなし残業代などと言って一定時間の残業代をあらかじめ支払うことを約束しているのです。

注意をしなければならない「固定残業代やみなし残業代」

例えば初任給が25万円でも内訳は基本給18万・住宅手当3万・資格手当1万・固定残業代3万円という会社があったとします。

この場合、固定残業代については「固定残業代 30,000円 ※20時間分の残業手当。 20時間を超えた場合は法令通通り支給」とか「20時間分の超過勤務手当30,000円。20時間を超えた場合は追加支給」などと記載されています。

「実際に残業をしても、しなくても20時間分は毎月支払いますよ。20時間を超えたら追加分は別途支払いますよ」という意味です。

えっ!残業しなくても20時間分はもらえるの!と思った方もいるでしょう。残業しなくても残業代がもらえるなんてラッキーですよね…。でも実際のところ、このように固定残業代の表記をしている会社は20時間の残業は毎月あるものだと思ったほうが良いです。

これは毎月の最低でも発生しうる残業時間を固定残業代として手当に含めて初任給を高く見せるための企業のテクニックです。

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重視すべきは基本給ということを忘れるべからず

基本給と初任給の違いについて説明してきましたが、給料を見る時は「基本給」を第一に見るようにしましょう。なぜか…

ボーナスや退職金は基本給をベースに計算されることが多いからです。「賞与年2回 ※昨年実績4カ月」などという表記をしている企業の求人を見たことがありませんか?この4カ月は「基本給×4カ月」という会社がほとんどなのです。

また初任給が高くてもその中に固定残業代20時間分が含まれている企業と、固定残業代がなくても基本給が1万安い企業で、残業を20時間した場合は結果的に後者の方が収入が高くなるということになります。

初任給が極端に高くて基本給が低い企業は、どの手当で初任給が高くなっているのかをしっかりと確認するようにしましょう。冒頭で述べましたが新卒採用においてはリクナビやマイナビなどのナビサイトでは基本給の記載が必須になっていますのですぐに確認できるはずです。

初任給が高い=生涯年収が高いとは限らない

初任給が高い会社で一生働けば生涯年収も高いかというとそうではありません。

例えば、ソフトバンクは大卒初任給が21万円台なのに対して、全社員の平均年収は1,000万円を超えています。入社時は平均並みですが、入社後に活躍すれば昇給の幅が大きく年収1,000万以上を稼ぐことも可能なのです。

会社選びの中で給与も重視したいという方は、基本給と初任給だけではなくその会社の平均年収も調べると良いでしょう。平均年収と平均年齢がわかれば入社して10年後20年後の年収額もある程度推測ができますし、自らのキャリアアップのチャンスがあるかどうかもわかります。

平均年収を調べる際に注意しなければならないこともあります。それは「持株会社」か「事業会社」 かといった視点です。

企業を調べていると「●●ホールディングス」といった企業を見かけることはありませんか。

またホールディングス以外に同じような会社名の会社がズラズラ並んでいたり…。どういうことかというと事業会社を束ねる役割を担うのが「持株会社と呼ばれる所謂ホールディングスと名のつく会社」という位置づけです。

つまり持株会社では、経営企画やIR担当など専門職のキャリアの高い人材ばかりが集中することもあり、平均給与は跳ね上がります。「おっ!この企業…年収高い!」と思っても、それが持株会社のデータではあまり参考になりません。

持株会社での勤務は基本的には新卒を受け入れる企業は少数派ですからね。大半が事業会社で働くことになるため、その違いをしっかりと把握しておかないと誤った判断をしかねません。是非、注意するようにしてください。

平均年齢や役員報酬の視点も重要

「平均年収が高い」という視点だけでなく、「平均年収と社員の平均年齢」も考慮に入れないと正しい判断はできないでしょう。

社員の平均年齢が50歳で、平均年収1000万円の企業と、社員の平均年齢が35歳で、平均年収1000万江では、生涯年収に大幅な違いが出来てます。

また中小企業やベンチャー企業など「少数精鋭」での環境で「高給」を謳っている企業では、役員報酬にも注意が必要でしょう。つまり「役員レベルだけ給与が高くて平均すると高くはなるが、実際平社員はたいしてもらえていない」というケースもあります。

従業員規模が50名から100名程度だと、役員の数にもよりますが、平均値に大きく影響を及ぼしてきます。ですので、「データを正しく読める力」を身に付けておく必要があるのです。

給与より残業の有無を重視したい方は

お金も欲しいけど、私はプライベートの時間を大切にしたいから残業が少ない会社が良いなぁという方もいると思います。

実は平均残業時間や離職率もナビサイトで確認することができます。ただ、このデータに信憑性がありません。極端な言い方をすれば嘘を書いても調べようがないのです。

また正しい数字でも全社員の平均ですので、残業が多い人もいれば全くない残業が無いという人も部署や職種によってはいるでしょう。

つまり残業時間についてはホームページや求人票では事実を知る事は出来ません。OB・OG訪問の際に先輩社員に直接聞いてみたり、口コミサイトを参考にするのがベターでしょう。

まとめ

・初任給の平均は203,400円。でも50万ももらえる会社もある。

・基本給と初任給は全く違う 固定残業代に注意するべき

・ボーナスや退職金は基本給をベースにしている企業が多い

・基本給と平均年収からキャリアプランを推測できる

・残業の有無は求人票では実態はわからない

大手企業など労働組合がある企業では、求人票の内容はほぼ間違いないと思って良いでしょう。

ただベンチャー企業や人材採用に苦戦している企業は、固定残業代などの手当を上手く使って初任給を高く見せるようにしています。初任給が高いから年収も高いと安易に思わずに、基本給や平均年収も合わせてチェックしましょう。