どうも!就活塾「内定ラボ」の岡島です!

就活をはじめると色々なところで見たり聞いたりする「総合職」と「一般職」という言葉。その違いをあなたは正確に理解出来ていますか。

わかりやすく言うと総合職は将来の会社を担う幹部候補職、一般職は総合職をサポートするアシスタント職というイメージでしょうか。総合職の方が色々な仕事を経験できるのに対して、一般職はアシスタント的な業務に限定される場合が多いです。

一般職と総合職の正確な理解をせずに、イメージ先行で「私は一般職かな」とか「先輩も一般職だし私もそうかな」といった選択の仕方は、後々悩むことも出てくるでしょう。

今回は一般職と総合職の違いを理解し、自分の適性はどちらにあるのか悩んだ際の対処法についてまとめていきたいと思います。

一昔前の認識は、一般職=女性、総合職=男性

この一般職とか総合職といった募集の仕方は「新卒採用」でよく見かけるものです。逆に言えば、転職市場においては「総合職」という職種は存在しません。何故、このような言葉が生まれたのか…背景から整理しましょう。

一般職や総合職という言葉が出始めたのは1986年頃からになります。まだ皆さんが産まれる前の話ですね。若干、歴史の授業のようになりますが、この年に雇用における大きな法改正があったわけです。

それが「雇用機会均等法」。

この法律の趣旨は、あなたも知っているかと思いますが、男性や女性という性別による区別ではなく、仕事の中身や成果によって評価するようにしましょうといった内容のものです。

この法律が出来る前は「男性」「女性」で募集がされていたわけです。「男性の募集はありますが、女性の採用は受け付けていません」などと、今のご時世では考えられないかもしれませんがそうした採用情報が乱立していたという訳です。

法律が出来た当初は男性=総合職、女性=一般職という感じで呼び名だけ変わっただけの感はありましたが、最近では女性の活躍など国も後押しをする形で総合職として働く女性も増加してきたこと、また「主夫」や「イクメン」等の言葉に代表されるような、一般職という働き方を選択する男性も民間企業を中心に増加傾向ということもあり、一般職=女性、総合職=男性 という過去の認識は薄れてきています。

一般職と総合職の違いは、具体的にどこに出るのか

総合職のサポート的役割をになるのが一般職で、それ以外が総合職といった認識もありますが、現在女性の社会進出の拡大や、女性役員比率の増加などから積極的に女性のキャリア支援を行う企業が増えてきた事で、一般職と総合職の違いが薄れてきている企業も増えてきています。

希望をすれば、一般職から総合職に転換できる制度も広がっていることから、その垣根は年々低いものになっていると言えます。

つまり「業務内容」に関して希望次第で総合職に近しい仕事に就けるようになってきた一方で、「労働時間」「転勤の有無」「昇進」「給与」で総合職と比べて、一般職では大きな違いがあります。

労働時間については特に残業時間で総合職と差があります。総合職は営業職や企画職などが多いため残業時間が多めになります。それに比べて一般職は定時で帰れたり、繁忙期でもそんなに多くの残業はありません。

続いて転勤ですが、ここが一般職を希望される方の志望理由の一番なのかなぁと感じます。総合職は全国転勤があったり色々な部署を経験してキャリアアップをしていきますが、一般職は転勤がありません。ときどき部署の異動がある程度です。転居が必要な転勤はしたくないという就活生は結構多いです。

上述したよう労働時間、転勤の有無で総合職と一般職の違いを見てきましたが、一般職の方がメリットが良いように感じた方も多いと思います。ただ、昇進や給与は総合職に比べて一般職の方が少ないわけですから、ココが多く学生を悩ませるポイントになっているのかと思います。

総合職でバリバリ仕事をやってみたい気持ちもある、その一方で子供が生まれてからもそんなに精力的に仕事に打ち込めるのか…そうした葛藤の中で、一般職なのか総合職なのか…という判断がつかない人が多いようです。

であれば「両方、受けていけばいい」という折衷案が思いつくと思いますが、ハッキリ言って私はおススメしません。一般職か総合職か…絞って就活に臨むことがベストです。何故、並行して受けない方がいいのか、その理由を説明していきます。

適性が大きく異なることからPRすべきことが変わってくるため

まずこれが理由としては大きいです。

例えば、一般職を志望した場合、前述したように「一般職から総合職」へのキャリアチェンジなど、多様性があるキャリアプランを導入する企業が増えてきたと言っても、まずは「一般職としての適性の有無」が新卒採用上確認されるのは当然のこととなります。

しかし総合職と同時に選考を進めて行くと、どうしても「PR内容に総合職向き」な部分が出てきてしまったり、面接官に企業ごとに総合職と一般職を受けている理由を問われて、論理的な回答が出来ない…といったケースが出てきます。

ですので、「どちらにも都合の良いPR」を追求していくと、その結果「適性が見えてこないPR」になってしまい、どちらかを単願している学生と比較された際に、強く自分をアピールできないなんてことになれば本末転倒となります。

さらに言えば、適性検査や性格テストにおいても中途半端な回答が増えてしまうことで、結果信憑性の低い内容となり、足キリを食らってしまう危険性すら出てきます。

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企業ごとに一般職か総合職かどちらがよいかと判断するのが難しい

両方とも受けていく学生の多くが、企業ごとに「ここは総合職でやっていけるイメージがないから一般職」「ここなら総合職でやっていけるかもしれないから総合職で受けよう」といったように、入社後のイメージが持てる職種はどちらか…といった選び方をしている学生が大半のように感じます。

もちろん、それを上手くやり切ることも可能ではあるのですが、一般職と総合職のそれぞれのPRや志望動機を考えていく必要が出てきます。

OB訪問などを積極的に活用し、就職活動においてエントリー作業を行う時期になる前にどちらにするか、もしくはどちらをメインにして臨むかは、決めて行動できるとより効率的な就活につながることでしょう。

“参考”
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初任給が高い企業から学ぶ、損をしない新卒の給与・年収の考え方

自分にはどちらに適性があるのか…悩んだ時の対処法

「私はコツコツ物事に取り組むから一般職かな」とか「様々なことに挑戦出来るから総合職の方がいいかな」など、一般的に考えがちですが、「適性」の話を持ち出すと、なかなか判断がつきません。つまり…悩み続けるループに陥る学生が多いように感じます。

ですから、悩んだら適性とか向き不向きはあえて考えないのが得策です。

毎年何百人という学生さんの就活支援をする中で、私は「適性が一般職向きか、総合職向きか」といったことで、どちらがよいか…といったアドバイスを極力しないようにしています。

では、何で判断しているか…

それは「現実性」と「覚悟」の2つの側面から、どちらがよいかをお伝えするようにしています。

人の性格というのは「1つ」ではありませんね。その学生さんが持っている性格の中には必ずと言っていいほど「一般職寄りの性格」「総合職寄りの性格」があるものです。

ですので適性よりも、まず一般職という働き方が「現実的に考えて」学生さんにプラスになるか、超高倍率の選考に耐えうることができるかどうかなどを、徹底的に現実的に整理していくのです。そして現実的な目標として、覚悟を持ってやり切ると思う職種をメインにする…これがよいと私は思っています。

人気企業の一般職志望、その倍率の高さに耐えうるか

まず考え得たいのが、この視点です。

事務的な仕事の多い一般職は、年々採用人数を減らしている企業が多いです。理由としては、事務職における人件費削減の観点から派遣社員の積極活用や、AIやIOT技術の発達における業務効率化の流れなどを受け、近年人気企業を中心に人員削減から、倍率が跳ね上がっています。

総合職なら採用枠が多く採用に乗ったかもしれないのに、一般職という倍率の高いところで勝負したことで内定まで届かなかった…ということも十分考えられます。

人気企業ランキング常連のメガバンクにおいても…

三菱東京UFJ銀行などメガバンク3行の2018年4月入社の新卒採用人数は3300人超と、17年4月の採用実績を25%下回る見通しだ。2年連続の減少で、6年ぶりの低水準となる。(日本経済新聞より抜粋)

と新聞の記事になりましたが、採用数の減少が「売上向上に直接貢献しない一般職」から影響を受けることは容易に想像できると思います。(この採用予定人数の縮小は業績低迷も一つの理由)

とは言え、金融系は採用人数が他の業界と比べて膨大であることから、倍率で考えると大したことはないですが、これがメーカーや総合商社等になれば、そもそも採用予定人数が多くないこともあり、倍率はさらに跳ね上がります。

そうした背景があり、事務として専門性を持ったスタッフなら派遣スタッフを雇えばよいといった状況の中で「新卒としての価値をあなたがどこで見出せるか」といった勝負になってきます。それでも「挑戦したい」という覚悟が持てるか、まずここが確認ポイントになってきます。

実家から通えるかどうか

急に「現実的なの来たー」と思うかもしれませんが、これはあなたが考えている以上に重要です。ここまでお伝えしてきたとおり、一般職の採用枠をどんどん増やしていく…といった企業は現時点では少数派になっています。

そうした中で企業としての本音は「総合職と比較して給与の上り幅が緩やかな分、その給与水準で不満を言わずに働き続けてくれる人であってほしい」ということがあるわけです。

そうした際に、一人暮らしか実家暮らしか…という点はよく見られる部分であり、必ず聞かれる質問項目と言っても良いでしょう。

つまり、地方から大学進学を期に都心に来て、そのまま都心で就職をしたい…と言う学生が一般職の大手を狙っていくのは、かなりハイリスクになるということです。

であれば、「一般職か総合職か」という悩みに対しては、シンプルに総合職でないと生活に支障が出てくる可能性が高いこともあり、総合職の選択が現実的になってくるという訳です。

知名度の低い企業への選考に対してモチベーションを維持できるか

これも重要です。

お伝えしている通り、一般職の大手企業や人気企業は倍率が高いです。企業からすれば言い方はよくないかもしれませんが「選びたい放題」といったくらいの優秀な学生がエントリーしてくるのです。

さすがにいくら覚悟が固まったとはいえ、「人気企業の一般職一本」はリスクが高すぎます。そうなると当然、数を受けていく必要性が出てきます。いわゆる「滑り止めといった企業群」です。

ですが、この話をすると2つにタイプが分かれます。

一つは「もちろん、そうします!」というタイプ。もう一つが「それなら総合職で大手行きたいです…」というタイプです。

前者なら一般職志望の方がいいと思います。後者の場合は、職種よりも企業ブランドなどに関心が強いことから、本当に一般職である必要があるのかというところから考え直す必要があるでしょう。

こうした3つの現実的な視点で、一般職がいいのか、総合職がいいのか、検討してみると新しい発見があるかもしません。悩んでいる方は是非、試してみてください。

まとめ

・一般職と総合職の違いは「労働時間」「転勤の有無」「昇進」「給与」等に出る

・一般職と総合職の併願は、おススメしない

・どちらに向いているか適性を考え始めると、決まらないケースが多い

・適性も考慮はしたいが、現実的に考えることが重要

・人気企業の一般職志望一本の就活は、ハイリスクすぎる

一般職か総合職か。

両方に適性がある人ほど、本当に難しい選択だと思います。是非、現実的な視点を持っていただき、どちらが納得度の高い判断と言えるのか、突き詰めて考えていってほしいと思います。