どうも!就活塾「内定ラボ」の岡島です!

内定ラボでは“効率的な就活”をテーマにしていることもあり、全国の大学院生が集まってきてくれるのですが、その中でもよく質問を受けるのが「業界選び」についてです。

学部生の場合は「業界は、最初から絞って就活をはじめた方が効率的なのか」でも書いていますが、時間に比較的ゆとりがあるうちに、業界を広げていくことが必要となります。

一方、大学院生の場合はというと学部生と比較すると“時間に比較的ゆとりがある”という状況自体が、作りづらいのが実情ですよね。ただでさえハードな研究をこなしていく中で、就活を両立させていくことになりますので、そもそも時間を業界を広げるために使うことが難しいという課題に直面します。

今回は、大学院生はどのようにして業界選びをしていくのが得策なのか、そのポイントをまとめていくことにします。

学部生とは違う、大学院生の立ち位置

学部生との違い。1つめは、先程説明した“就活にあてられる時間”が限られることです。これは大学院生自身が一番認識している部分でしょうから、ここでは説明を省きます。

そして2つめは、学部生と違って“専門性が高い”と採用担当者から認識されているということです。ある分野での最先端の研究に携わっているわけですから、当然と言えば当然でしょうが、その“専門性”が、就職活動において吉と出る企業もあれば、凶と出る企業もあるということなのです。

学部生であれば、基本的にどの企業も受け入れる体制が整っていることが多いですが、大学院生に対しては「積極的に採用したい企業」と「大学院生は採用は極力控えたい企業」に大きく分かれてしまうのです。

つまり、冒頭で書いた通り「業界を広げる」ことはもちろん考えてほしいのですが、専門性が高いがゆえにそもそも「業界を広げられる範囲」が決まってしまうのが大学院生なのです。

“参考”
大学院生の就活…専門・専攻外は本当に内定が出づらいのか?

とはいえ、まずは「業界を広げられる範囲」を確認する

専門性を直接活かす仕事で業界を探そうとすると、本当に限られた企業しか受けられなくなってしまいます。もちろん研究分野によって違いはあるものの、やはり現在取り組んでいる研究内容をそのまま100%活かせる就職先は、ごくわずかになってしまうことでしょう。

それでは、万が一の時の対応が取りづらくなるので、基本はまず広げることを考えましょう。

研究内容が活かせる企業は受けるとして、そのほかに広げるためにはいくつかヒントになることがあります。まずは…

研究を通して自分が身に付けた能力は何か

を整理することが近道になるでしょう。どういうことかというと、研究内容は直接活かせなくても、研究から学んだ、もしくは身に付けた能力を高く評価してくれる業界・企業というものが存在するからです。

分かりやすく言えば、最先端の技術に対して、仮説構築と検証作業を繰り返して、新しい法則性を導き出す力があったとすれば、その力はそのまま“コンサルティング業界”などで通用するということです。

それ以外にヒントになりそうなのは…

そもそもなぜ今の研究に打ち込もうと思ったのか…その動機

を整理することです。あるニッチな特定分野にフォーカスして研究をしていたとしても、そもそもそのテーマに興味を持ったきっかけを整理してみると、「環境に興味があった」「物事の原理原則を突き詰めたかった」など、業界を選ぶ際にキーになるワードが出てくることがよくあります。

そうした切り口を増やすことで、大学院生でも可能な限り業界を広げることができるはずです。特に理系大学院生は、特定の文系職種においては取り合いになるほどの需要があります。

理系・文系問わず、幅広く業界を見ることは、まずはじめにやるようにしてください。

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大学院生の就活最大の壁は、時間の確保

今までお伝えしてきたように、広げるところまできたら、今度は絞る作業です。学部生の場合は、絞る作業の優先順位はさほど高くないのですが、大学院生の場合は「この絞り方」が甘いと、就活における無駄が多く発生してしまいます。

研究と就活を両立していくわけですから、一人ひとり状況によって「就活に充てられる時間」に違いがでます。ある大学院生は「研究室も就活に理解があるので、ばっちり時間を割かせてもらいます!」という人もいれば、「研究が最優先です。就活は正直二の次になっているのが現状です」という人もいます。

内定ラボの卒業生の中には「海外留学中で日本に戻れるのは1カ月だけです。その1カ月でなんとかしないといけません」という人までいるくらいです。

ちなみにその大学院生は最初の1社目で内定が出て、すぐに海外の大学に戻っていきましたが、それだけ人によって状況が変わってきてしまうのが大学院生の就活の実態です。

“参考”
理系大学院生が就職活動で結果を出すための3つの条件

“参考”
文系大学院生が就職活動で大手から内定をもらための3つの方法

だからこそ、就活に充てられる時間に合わせて業界を絞る必要がある

大学院生の業界選びのポイントはここになります。

就活に使える時間から逆算して、選考をしっかりと受けられるであろう数はどれくらいなのかを、早い段階出見積り、業界を絞っていく必要があるということです。

・ 最大限広げてみた業界を受け切れるだけの時間を確保できるのか

・ 確保できないのであれば、どの業界の優先順位を下げるのか

・ エントリーはどの業界をメインで考えていけばいいのか

など、就活の選考が本格化する前にある程度、戦略を立てておかないと、後々で時間に押しつぶされてしまうことにもなり兼ねません。

選考が本格的に始まる前に、大学院生は「時間と業界選びのバランス」という壁を乗り越えなければならないというわけです。準備が大切。そういうことです。

業界を絞る際の注意点

業界を絞るヒントをいくつか前の章で説明しましたが、一番効率的なのは「内定をもらえる可能性が高い業界・企業に絞る」ということです。

何を当たり前のことを…と思うかもしれませんが、「学部生とは違う、大学院生の立ち位置」の章でお伝えした通り、学部生と比較して専門性の高い大学院生を「積極採用」している企業と「採用を控えたい」と思っている企業があるということを思い出してください。

もしあなたが選んだ業界・企業が「採用を控えたい」傾向が強いのであれば…選考を受けても相性が悪いわけですから、そこに非効率が生まれますよね。

そうならないための簡単な対処法としては「企業の採用実績」をチェックすることですね。とはいえそれだけでは見えな部分が多いので、内定ラボではカリキュラムの一環として大学院生をサポートさせていただく際は、その学生の興味関心で業界を広げてもらった後に、“相性がよさそうな業界”と“そうでない業界”を私が直接アドバイスしてしまっています。

“参考”
大学(大学院)の採用実績をチェックしたほうがいい本当の理由

何故そこまでするかと言えば、理由はシンプル。この選択こそが大学院生の就活効率に大きな影響を与えるからです。

様々な業界で「採用される人」「採用されない人」を人事とともに見てきた私としては、研究内容やどんな経験を積んできたのか、人柄や性格などを総合的に判断することで、見えてくるものなんですね。

ですから業界を絞る際には、興味のあるなしで決めるのも大事ですが、採用される可能性がそもそも高いのか低いのかを考慮することがとても重要になってきます。

まとめ

・ 大学院生は“専門性”を評価されていることを忘れてはいけない

・ 専門性にこだわりすぎず、業界を広げる作業はやるべき

・ 自分が就活に確保できる時間を逆算し、就活の方向性を決める必要がある

・ 大学院生を「積極採用する企業」と「そうではない企業」が存在する

・ 採用実績などから「採用されやすい業界」の見極めが重要となる

学部生と大学院生は、就活のスタイル自体が変わってきます。学部時代就活を経験している人もいると思いますが、学部生の時と同じことをしても、それ以上の結果がついてくることは考えずらいです。

大学院生は大学院生らしい就活で差をつけていくことを考えましょう。