どうも!就活塾「内定ラボ」の岡島です!
面接官をやっていると「もし御社から内定を頂けたら入社までに何をしておいたら良いですか?」という質問を受けることが多いです。
正直またこの質問か…と思ってしまう事もあるくらい、逆質問の定番と言えるでしょう。もしかしたら、あなたも逆質問としてよく使う、ないしは使おうと考えているかもしれません。
結論から言えば…あまりお勧めしません。
何故、この質問が有効とはなり得ないのか…そのあたりを人事の本音を交えながら解説していきたいと思います。
この逆質問に対する面接官の答えは…
実際、面接官は下記のような回答をする場合が多いです。
「社会人になると自由な時間が少なくなるので目指している資格があれば挑戦してみたらどうですか」「年上の人と接する機会を作って、今まで接して来なかったような人と関わりをもつ時間を意識的に作ってみるのも良いですよ」「今まで行ったことのない場所を敢えて選んで旅行に行ってみたらどうですか」などです。
このように、その人によって答える内容はバラバラです。
ただ共通しているのは、一見仕事とは関係ないように見えますが実は社会人になるための準備のような回答になっているのです。
資格取得は仕事と直結する資格のことを言っているわけではありませんが、挑戦する、没頭するということに意味があります。また年上の人と接することは、様々な年代の人の考えを聞き見識を広げるということに意味があります。
旅行に関しては、はじめ訪れる場所で何か新しい発見や感じるものがあるかもしれません。これらは全て社会人になってから必要となる資質です。それを少しでも身につけておいてほしいと思っているのです。
肝心なのことは、この逆質問が面接の評価に繋がることはない
先程お伝えした通り「学生からよく質問される逆質問であるから飽き飽きしている」といった理由だけで評価に繋がらない…のではないのです。
「内定後に何をしたらいいのか」…この質問をあなたは「入社後、即戦力として働くために必要なことがあれば教えてほしい」という素直な気持ちで聞いているとは思いますが…
そもそも論として「内定を獲得する過程で企業研究や業界・職種研究、キャリアプランの明確なイメージが持てている学生なら、入社までにやった方がいいことややるべきことは理解出来ている」はずですし、その企業でその職種で求められる能力や資質などについて、本気度の高い学生ほど、面接がスタートするまでに情報収集しているものなのです。
だからこそ、そうした事前準備が出来ている学生やビジョンを明確に持てている学生からは、「入社までに何をするべきか」といった漠然とした質問を聞かれることはありません。
この逆質問をすることで「評価が大幅に下がること」はありませんが、評価されることは稀でしょう。だからこそ、面接官も「あれやこれや適当な話」でやり過ごすことが多いです。
厳しく感じるかもしれませんが…本心では「それは自分で考えたら…」と思っていることでしょう。
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誰にこの質問をぶつけているのか…ということも考えたい
内定後、入社までにやるべきことを「人事」に質問をする人がいますが、人事は基本的に「採用」が仕事の人が多く、実際の営業や企画や研究・開発といった職種の仕事内容について、実務を深く理解している存在ではありません。
もちろん採用上、必要な知識は入れていますが、あくまで採用上の話。
入社後に必要なことを「的確にアドバイス」出来る存在ではないことは、少し考えればわかることでしょう。また「社長」にするのも少し違うように思います。
常に会社の意思決定を行っている経営者に対して、「意思決定を丸投げしているかのような質問」は評価を下げる可能性が大きいでしょう。おそらく大半の社長は「君は何が必要だと思うのか?」などと質問を質問で返してくる可能性が高いです。
つまり、この逆質問をするのであれば「現場で仕事を実際に行っている人」「現場のマネージメントを担当している人」に聞いて初めて、価値が出てくるということですね。
「何を聞くか」も大事ですが、「誰に聞くか」も意識していきましょう。
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では実際…内定後何をやるのがいいのか
参考までに、今年新入社員として社会人デビューした人たちに内定から入社までの間に何をしていたかを聞いてみました。
「アルバイトを週5でやっていた」「海外旅行、最高でした」「実家が自営業で家の手伝いをしていた」「運転免許が仕事上必要になるので、教習所通いです」などでした。
圧倒的に多かったのは「友達や彼氏、彼女と遊んでいました」ということです。
どれも否定するつもりはありません。またどれが良くて、どれが悪いというわけでもないと思います。ただ、必ず意識しておいてほしいのが目的意識を持って過ごすことです。それは、この自由な時間が無限に続くわけではないからです。
入社までの数か月間という限りがある時間であるからこそ、目的意識を持って過ごし自分自身を成長させたり、価値観を広げてほしいのです。では、どうしたら目的を見つけることができるのでしょうか。
社会人になっても出来ること、出来ないことに目を向ける
それを探すためには「学生でしかできないこと」「社会人でもできること」を整理して「学生でしかできないこと」を意識することでしょう。
就職先の企業によって長期休暇が取りやすいか、休みが土日か平日か。また残業が多いか少ないか、更には転勤が多いのか少ないのかが全く変わってきますが、長期休暇が取りやすければ社会人になっても海外旅行に行けるでしょう。また残業が少なければ仕事が終わってから資格取得の勉強も出来るでしょう。
学生時代にしか出来ないと思い込んでいるだけで、実際に社会人になってからも出来ることは意外とたくさんあります。もちろん皆さんが就職する会社によって変わってきますが…。
ただ、学生時代と比べて唯一全員が出来ない事があります。
それは友人と過ごす時間です。
学生時代であれば、いま暇?ご飯食べに行かない?などと気軽に友人と遊ぶことができますよね。それが社会人になると前もって予定を決めておかないと時間が合わないことがほとんどです。土日休みの人と平日休みの人では1日遊ぶことなどできません。一緒に旅行に行くことなどなかなか難しくなるでしょう。
ただ、学生時代の友人は一生の友人になる事が多いです。
大学を卒業して15年以上経つ私の経験からいうと、社会人になってから一番気軽に会えるのも、何でも話せるのも大学時代に共に過ごした友人です。もちろん同じ大学の友人に限定する必要はありません。サークルやアルバイトで知り合った友人もそうです。
社会に出てからできる友人はどうしても仕事上の付き合いも出てきます。それはそれで貴重なのですが、学生時代を共に過ごした友人との時間を大切にする機会を意識的に作るのも良いと思います。これは、この期間にしか出来ない事だからです。
今、当たり前のように友人と接している状況だと「ピンっ」と来ないかもしれませんが、是非学生の今だからこそできる事に、全力で取り組んでほしいですね。
ぶっちゃけ…入社後のことは入社後に考えるもあり
このように、内定後にするべきことはその人の置かれている状況によって変わってきます。
なかには入社前に研修がたくさんあったり、インターンとして実質仕事をしたりする会社もありますが、多くの人は自由な時間が多くなります。
この限られた自由な時間の中で、学生時代にしか本当に出来ないことをしたり、学生時代にこれだけはやりきったと自信を持って言えるものをつくったり、悔いのない学生生活を過ごしてほしいと思います。
入社後のことは入社してから考えれば良いです。特に会社から課題が出ていなければ、入社後にしっかりとした研修がありますから独学で何かする必要はないと思います。
とにかく「仕事したくて仕方ない」という前向きな気持ちを持って入社式に参加できることが何よりです。せっかくの学生時代に社会人の準備段階でクタクタになっては本末転倒ですし、就職活動で燃え尽きてしまい、社会人としてのスタートダッシュを切れない人も少なくありません。
そうならないように、気を付けてほしいと思います。
まとめ
・内定後になにかすることはあるか?の逆質問はあまりおススメしない
・この逆質問に人事は飽き飽きしている
・「誰に」「何を」質問するのかも重要
・学生時代の友人は生涯の友人になる事が多い
・シンプルに入社後のことは入社してから考えるもアリ
就職活動に限った話ではありません。
「自分の頭で考える」ということは、社会人として必須のスキルだと思います。「自分の考えのない質問」は極力控えるようにしていきましょう。